お薦めコンサート一覧

お薦めコンサート

石合 力◎朝日新聞編集委員

ショパン・コンクール優勝から60年、アルゲリッチが京都で特別演奏会

■クリスティアン・アルミンク指揮 シンフォニア・ヴァルソヴィア
 日本ツアー2025・京都公演

小林愛実、マルタ・アルゲリッチ(ピアノ) ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番、他

10月12日(日)15:00 京都コンサートホール

〔ツアー全体の詳細は、https://www.kajimotomusic.com/concerts/sinfoniavarsovia-2025/参照。アルゲリッチ出演は京都のみ〕
〔他に、アルゲリッチは以下の公演に出演する。「明子さんのピアノ」支援コンサート10月15日(水)18:45 広島文化学園HBGホール、アルミンク指揮広島交響楽団 平和音楽大使アルゲリッチ特別公演 16日(木)18:45 広島文化学園HBGホール、18日(土)16:00 シンフォニア岩国コンサートホール〕

■バッハ2025 綾なす調和 Vol.2「バッハのプリズム」

佐藤俊介(vn)& アンサンブル赤いはりねずみ
ハインリッヒ・バッハ:5声のソナタ、J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲ホ長調 、他

10月24日(金)19:00 住友生命いずみホール

■太田弦指揮日本センチュリー交響楽団 第293回 定期演奏会

かとうかなこ(アコーディオン)、寺田光(語り)
ベートーヴェン:交響曲 第2番、武満徹:《波の盆》、他
10月24日(金)19:00 ザ・シンフォニーホール


 主に西日本の演奏会から紹介する。ポーランドのオーケストラ、シンフォニア・ヴァルソヴィアが京都で、マルタ・アルゲリッチを迎えた特別演奏会「アルゲリッチ、ショパン・コンクール、そしてポーランド」を開く。アルゲリッチとの共演も多いアルミンクの指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を演奏する。今年は、アルゲリッチが1965年のショパン・コンクールで優勝してから60年、初来日から55年になることから企画した。アニー・デュトワ・アルゲリッチさんによる講演もある。来日ツアーは、東京、名古屋、大阪を含む4都市で7公演。ツアーには、小林愛実、イーヴォ・ポゴレリッチも加わり、ショパンのピアノ協奏曲の第1番を小林、第2番をポゴレリッチの独奏で演奏する。小林は京都のプログラム前半にも登場する。アルゲリッチは他に、広島で被爆ピアノ支援の演奏会、広島と岩国で広島響との共演がある。
 オランダ・バッハ協会の音楽監督を2023年まで務めるなど、国際的に活躍するヴァイオリニスト・指揮者の佐藤俊介が大阪・住友生命いずみホールに登場。弦楽器とチェンバロの日本人奏者8人による「アンサンブル赤いはりねずみ」とバッハのヴァイオリン協奏曲などを演奏する。バッハをテーマに同ホールが企画する連続演奏会「バッハ 綾なす調和」の第2回。大叔父ハインリヒ・バッハの作品など、バッハ家ゆかりの音楽をピリオド楽器の名手の演奏で楽しみたい。
 太田弦が日本センチュリー響定期に登場。武満徹がテレビドラマ「波の盆」に付けた曲などを取り上げる。意欲的なプログラムを組む31歳の俊英に注目したい。


清宮美稚子◎本誌編集

ブロムシュテット/N響、名手アンスネスとブラームス協奏曲第2番

ヘルベルト・ブロムシュテット指揮NHK交響楽団 第2047回定期公演 Cプログラム

レイフ・オヴェ・アンスネス(p)
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番、交響曲第3番

10月24日(金) 19:00 、25日(土)14:00  NHKホール

エドワード・ガードナー指揮読売日本交響楽団 第281回マチネーシリーズ

パヴェル・コレスニコフ(p)
ディーリアス:歌劇《村のロミオとジュリエット》から「楽園への道」、
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番、ブラームス:交響曲第1番

10月25日(土)14:00 、26日(日)14:00  東京芸術劇場コンサートホール

松本宗利音指揮大阪フィルハーモニー交響楽団 マチネ・シンフォニー Vol.34

ティボー・ガルシア(g)
湯山昭:子どものための交響組曲、ロドリーゴ:アランフェス協奏曲、ビゼー:交響曲第1番

10月1日(水) 14:00  ザ・シンフォニーホール

〔ガルシアは大友直人指揮東響とも《アランフェス協奏曲》で共演。10月4日(土)14:00、東京オペラシティ コンサートホール〕


 ブロムシュテットが今年もN響10月定期の全公演に登場する。98歳。冒頭には世界最高峰のピアニストの一人、アンスネスが共演するCプロを挙げたが、ストラヴィンスキーの《詩篇交響曲》とメンデルスゾーンの《讃歌》というAプロ(18、19日)、北欧の音楽で固めたBプロ(9.10日)もお薦めであることに変わりはない。カバー指揮者が発表されているので念のため記すと、AプロはM・タバシュニク、BプロはE・オリカイネン、Cプロは下野竜也。
 英国の指揮者ガードナーは読響に初登場。ロンドン・フィル首席指揮者とノルウェー国立オペラ・バレエの音楽監督を務める実力派で、録音も極めて多く、本誌新譜欄にもよく登場する。ブラームス:交響曲第1番など直球の名曲プロを披露する。
 大阪フィルは、今年4月に指揮者に就任した31歳の松本宗利音と若手天才ギタリスト、ティボー・ガルシアの共演で《アランフェス協奏曲》。ガルシアは今回の来日ではオケとの共演2回、ソロ・リサイタル2回のほか、カウンター・テナーのフィリップ・ジャルスキーとのデュオ・リサイタルが3回あり、そちらも超特大注目だ。

 最後にどうしてもご紹介したいのが、北村朋幹の「リストから見た現代 現代から見たリスト~10時間マラソン・コンサート」。10月5日、武蔵野市民文化会館小ホール、11時半スタートの3部構成で終演は21時。リスト《巡礼の年》全曲に加え、メシアン、ミュライユ、杉山洋一などの作品。チラシには「北村朋幹の想いを受け止め、『私がコンサートを創るんだ』と遠征してくる420人の勇者よ、ホールに集え‼︎」とあるが、あっという間に完売してしまった。