イザベル・ファウストが奏でる縦横無尽のイザイ無伴奏
■イザベル・ファウスト 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ第17番、他
1月30日(金) 14:00 滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール(小)、
31日(土) 14:00 兵庫県立芸術文化センター 神戸女学院小ホール
〔東京公演は28日。24、25日にはヴァイグレ指揮読響とシューマンvn協奏曲、2月1、2日はA・メルニコフとのデュオ・リサイタル〕
■瀬山智指揮 関西フィルハーモニー管弦楽団 「21世紀の新世界」
鈴木愛美(p)
シューマン:ピアノ協奏曲 、ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》、他
1月10日(土)14:00 ザ・シンフォニーホール
■第19回 ショパン国際ピアノ・コンクール2025 入賞者ガラ・コンサート
アントニ・ヴィット(当初発表から変更)(指揮)ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団、
エリック・ルー、ケヴィン・チェン、桑原志織(p)、他
1月24日(土)14:00 ザ・シンフォニーホール、25日(日)14:00 京都コンサートホール
(22日熊本、23日福岡、27・28日東京、29日川崎、31日名古屋。
詳細はhttps://chopin.japanarts.jp/gala.html参照)
主に西日本の演奏会から紹介する。世界的なヴァイオリン奏者イザベル・ファウストが来日し、無伴奏曲を集めたリサイタルを開く。バロックから現代曲まで弾きこなす彼女の演奏は完璧なテクニックと音楽的な喜び、豊かな表現力を併せ持つ。今回のプログラムもテレマンからジョン・ケージまで縦横無尽。ベルギーの作曲家で名ヴァイオリニストでもあったウジェーヌ・イザイ(1858-1931)の無伴奏ソナタ2曲(第2番、第4番)に注目したい。
2024年秋の第12回浜松国際ピアノコンクールで日本人初優勝を飾った鈴木愛美(まなみ)が関西フィルに登場。シューマンの協奏曲に初めて挑む。同コンクールでは、第5回のラファウ・ブレハッチ(1位なしの2位)、第7回のチョ・ソンジン(1位)がその後、ショパン国際ピアノコンクールで優勝。若手の才能をいち早く見いだしてきた。鈴木は1位とともに室内楽賞、聴衆賞、札幌市長賞、ワルシャワ市長賞も受賞している。指揮の瀬山智博は、大阪音大を経て、ウィーン国立音楽大学指揮科で学んだ。コレベティトールとしても活動し、ドイツ・マグデブルク市立歌劇場のカペルマイスター(専属指揮者)を務めるなどオペラとの関わりが深い。前半には、協奏曲のほか、モーツァルトの歌劇《劇場支配人》序曲も取り上げる。
昨秋もオンライン配信で注目を集めたショパンコンクール。その入賞者ガラ・コンサートが関西では、大阪と京都で開催される。優勝したアメリカ出身のエリック・ルー、4位入賞の桑原志織らの演奏をライヴで味わいたい。
小川響子がブラームス協奏曲で名古屋フィルにソリスト・デビュー
■松井慶太指揮 名古屋フィル第541回定期演奏会〈友人たちの肖像〉
小川響子(vn) ブラームス:ヴァイオリン協奏曲、エルガー:《スルスム・コルダ》、《エニグマ変奏曲》
1月16日 (金) 18:45、 17日 (土) 16:00 愛知県芸術劇場コンサートホール
〔小川響子ヴァイオリン・リサイタル~ブラームス ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会~ 稲生亜沙紀(p)10日(土)14:00 宗次ホール〕
■鈴木優人指揮関西フィル住友生命いずみホールシリーズVol. 62
「ベートーヴェン・ヒストリー3」
阪田知樹(フォルテピアノ)
ベートーヴェン:《フィデリオ》序曲、ピアノ協奏曲第3番、交響曲第3番《英雄》
1月22日(木)19:00 住友生命いずみホール
■トゥガン・ソヒエフ指揮NHK交響楽団 第2054回定期公演 Aプログラム
マーラー:交響曲第6番《悲劇的》
1月17日(土)18:00、18日(日)14:00 NHKホール
葵トリオとしても精力的な活動を続ける小川響子が、2024年4月からコンサートマスターを務める名古屋フィルでソリスト・デビューを飾る。曲はブラームスのヴァイオリン協奏曲。小川はその1週間前の1月10日、宗次ホールで同じ作曲家のヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会を開く。1月は小川響子のブラームスに要注目だ。
さて、2026年はベートーヴェン没後200年アニバーサリーのプレ・イヤー。2027年に向け様々な企画が走っているのに目を見張る思いだ。その一つが関西フィルの「住友生命いずみホールシリーズ」で、首席客演指揮者鈴木優人による「ベートーヴェン・ヒストリー」が2025年度から3年間で全9回予定されている。1月はその第3回にあたり、《英雄》のほか、阪田知樹がフォルテピアノで協奏曲第3番を弾く。
毎年1月、N響定期公演への登場が恒例のトゥガン・ソヒエフ。今回は、Bプロで松田華音、Cプロで上野通明との共演も楽しみだが、なかでも注目は、初のマーラーとなるAプロの交響曲第6番だろう。楽章順について、ソヒエフは「マーラーが悩んだ末に変更した、アンダンテ~スケルツォの順を採用する」という。ハンマーは何回振り下ろされるのか。
ほかにも注目のオーケストラ公演が続々。ほんの一例だが、ヴァイグレ指揮読響第654回定期演奏会(20日)ではプフィッツナーのカンタータ《ドイツ精神について》が日本初演、日本フィル第414回横浜定期演奏会(24日)には本誌連載でもお馴染みのヴィルフリート・和樹・ヘーデンボルクが弾き振りで登場、モーツァルト、J. シュトラウス2世などニューイヤーに相応しいプログラムが奏でられる。