岡本稔◎音楽評論家
セルジュ・チェリビダッケ(指揮)
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
(ワーナー)WPCS-28426 3080円
チェリビダッケの解釈を隅々まで行き渡らせた名演
チェリビダッケの「幻想交響曲」としては、RAIトリノ放送響の映像、スウェーデン放送響の録音が知られていたが、最円熟期のミュンヘン・フィルとのものはこれが初リリースとなる。1986年というもっとも精力的に活動を行っていたときの記録で、あくまでチェリの解釈を隅々まで行き渡らせた名演だ。表現の
マルタ・アルゲリッチ(ピアノ)
小澤征爾(指揮)
水戸室内管弦楽団
(ユニバーサル)UCCD-40017 3300円
卓越したアンサンブルが2人の大家の意図を汲む
ベートーヴェンは2017年のライヴ。小澤の音楽は若々しく、みずみずしい。若き作曲家の意気込みを素直に反映させる。アルゲリッチのソロも気迫で押し通すところは
伊熊よし子◎音楽ジャーナリスト
●バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1~24番
トレヴァー・ピノック(チェンバロ)
(ユニバーサル)UCCG-40101/2 3960円(2CD)
バッハの本質、探究心、学びの意味などを浮き彫り
トレヴァー・ピノックのJ.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集第1巻」は、フランスのエムシュ製に基づくデイヴィッド・ウェイ1983年製のチェンバロが使用されている。エムシュの音色は特有のエレガンスと深々とした抒情性を備え、ピノックの自発的で嬉々とした演奏を鮮やかに描き出す。満を持して世に送り出したピノックの「平均律」はバッハの本質、探究心、学びの意味などを浮き彫りにし、チェンバロ好きの心をとらえてやまない。
●クルークハルト:木管五重奏曲 作品79●オンスロウ:木管五重奏曲 作品81●シュポア:ピアノと管楽のための五重奏曲 作品52
レ・ヴァン・フランセ
(ワーナー)WPCS-13831 3080円
選曲の粋が味わえ、新たな作品に触れる喜びを示す
パユがインタビューで語ったところによると、レ・ヴァン・フランセ(LVF)は演奏したい楽譜を持ち寄り、全員で討論して演奏に臨むという。今回の管楽器の豊かな技巧と生命力あふれる響きが堪能できるクルークハルト、管楽五重奏の醍醐味であるアンサンブルが横
石戸谷結子◎音楽評論家
出演:ヨナス・カウフマン、アニヤ・ハルテロス、キリル・ペトレンコ、
アイヴァー・ボルトン、ズービン・メータ、ほか
映像監督:トニ・シュミット
(ナクソス・ジャパン)NYDX-50084 4400円
※輸入盤、Naxos原盤、日本語字幕・解説付き
世界で最もエキサイティングな活動続ける歌劇場の舞台裏
世界のオペラハウスの中で、最もエキサイティングな活動を続けているのがミュンヘンのバイエルン国立歌劇場だ。レパートリー・システムを採り、ほぼ毎日公演を続けている。新演出も多く、ほとんどが物議を醸すラディカルな演出だ。その歌劇場の舞台裏に迫るのがこのドキュメンタリー。カウフマンやハルテロスなどスター歌手に加え、総監督のバッハラー、オーケストラ奏者、クローク係や衣装や接客担当係など舞台を支える人が証言する。「オペラが出来るまで」が描かれる。