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vol.19 ヴァイオリン リチャード・リン

 ヴァイオリン リチャード・リン

昨年の仙台国際音楽コンクールの優勝者
ブラームスのソナタ全曲で記念リサイタル
「ブラームスとは不思議な縁があります」

ちょうど1年前に開催された第5回仙台国際音楽コンクールで優勝、優勝記念演奏会東京公演が6月19日、浜離宮朝日ホールで開かれた。プログラムはブラームスの残したヴァイオリン・ソナタ3曲という、重厚なプログラム。

 「ロマン派、ブラームスがもともと好きなのです。ブラームスとは不思議な縁があります。仙台のコンクール、マイケル・ヒル国際ヴァイオリンコンクールでもブラームスのコンチェルトを弾きました。滑らかに音程を変えるポルタメントが得意だと思っているので、ブラームスが合っていると思いました。日本の皆様に私のブラームスの解釈を聴いていただければとソナタ全集にしました。ブラームスは研究すればするほど、奥が深い作曲家です」

 「おそらく季節は秋ではないか」という第1番「雨の歌」など深く豊かなヴァイオリンの音色が聴衆を魅了した。

 ヴァイオリン リチャード・リン

 「今回、日本でコンサートと録音があるから、と3週間前に台湾の奇美文化基金会からグァルネリ・デル・ジェスを貸していただいています。1733年製です。2本のストラディヴァリウスと合わせて3本の中から選ばせてもらったのですが、音が深く美しく、ブラームスに合うと思い、このグァルネリを選びました」

 このコンサートの後、ブラームスのソナタ全集を録音、はじめてのCDが12月にフォンテックから発売される予定になっている。

 父親は会計士で、音楽が好きでオーディオ店を経営している。

 「4歳のときに祖母がヴァイオリンをプレゼントしてくれました。おもちゃのように遊んでいて好きになりました。父親はCDをたくさん持っていて、ご飯を食べるときもお風呂に入っているときも、常に音楽がかかっていました。その影響もあり、ハイフェッツ、オイストラフ、シェリングなど古いスタイルのヴァイオリニストが好きになったのです」

 14歳のときに台湾最大の台湾音楽コンクールで1位を獲得、プロを目指そうと心に決めた。

 「アメリカは人種のるつぼですから、視野も広がるし、刺激を受けたいと思いました。そしてアーロン・ロザンド先生に習おうとカーティス音楽院にしたのです。ロザンド先生は、他人が自分のスタイルが嫌いだと言ったなら嫌わせておけ、と。コンクールでもリスクはあるが、嫌われているからとスタイルを変える必要はない、と言っていました」

 来年はエリザベート、チャイコフスキー、シベリウスという大きなコンクールにチャレンジするつもりだ。

Richard Lin 林品任

1991年、米アリゾナ州フェニックス生まれ。台湾で育つ。4歳からヴァイオリンを始める。16歳で渡米し、カーティス音楽院でアーロン・ロザンドに師事。現在はジュリアード音楽院修士課程でルイス・カプランに師事。2013年、第5回仙台国際音楽コンクールで優勝、あわせて聴衆賞を受賞。ブラム弦コンクール1位、ナショナル台湾音楽コンクール1位。仙台フィル、オークランド・フィル、台湾国立響、ワロニー王立室内管などと共演している。

ここで聴く

東京交響楽団定期演奏会
11月8日(土)18:00 サントリーホール
■問い合わせ:TEL 044-520-1511

東京交響楽団新潟定期演奏会
11月9日(日)17:00 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館
■問い合わせ:TEL 025-224-5521

いずれもバルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番/指揮:飯森範親

仙台フィルが市民に贈る「オーケストラ・スタンダード」vol.11
12月3日(水)19:00 日立システムズホール仙台
サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番/指揮:パスカル・ヴェロ
■問い合わせ:TEL 022-225-3934