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デビュー25周年で記念リサイタル
1月21日にサントリーホールで開催
「今が折り返し地点のイメージです」
「久しぶりのサントリーホールでのリサイタルです。ショパン・コンクールで入賞し、デビューがサントリーホールでした。今でもホールの前を通ると条件反射のように、きゅーっと緊張します。サントリーホールは私には特別な場所なのです」
デビュー25周年の記念リサイタルを1月21日、サントリーホールで行う。1990年10月、第12回ショパン国際ピアノ・コンクールで3位(1位なし)を獲得。翌91年4月、サントリーホールから日本縦断ツアーが始まった。サントリーホールでは同月に、ショパンのピアノ協奏曲2曲とソロの2回コンサートを行っている。
「ショパン・コンクールは、他のコンクールと注目のされ方が違います。ショパン・コンクールに入賞したピアニストはどんななのか、と聴衆の方から一挙手一投足まで見られている感じがしてプレッシャーでした。ピアノ協奏曲第1番は初めて弾きました。ソロも半分ぐらいしか弾いたことのない曲でした。コンクールは通過点で、だめならだめで仕方がない、という思いもありましたから、デビュー・コンサートの方が緊張しました」と振り返る。
記念リサイタルのプログラムは、モーツァルトの幻想曲で始まり、シューマンの幻想曲で休憩、後半はシューベルトの即興曲、ショパンを続け、リストのスペイン狂詩曲で終わる。モーツァルトの幻想曲とピアノ・ソナタ第14番は、数少ない短調の作品。
「モーツァルトは確信犯的に短調の作品を書いています。14番は昨年のCDに収録しました。シューマンの幻想曲は演奏会では弾いていませんので、いま弾いておきたいと思いました。スペイン狂詩曲はここ15年弾いていません。演奏として完成度の高さと、1回きりの即興性、即興曲や幻想曲の自由さと相反するものとの共存を目指しています」
25年はあっという間だったという。
「50周年は70歳になります。それを考えると、今が何となく折り返し地点のイメージがあります。25年で一番得られたものは、自由さです。デビューのときはショパン・コンクールの入賞者として、他の人と比較されました。今さら、ショパン・コンクール入賞者だから聴きに行こうという人はいないでしょう。そういう自由さも得られました。プログラムも自分の責任で自由に作れるのです」
1971年東京生まれ。16歳で渡仏後、89年ブゾーニとロン=ティボー国際コンクールに上位入賞。90年パリ国立高等音楽院卒業。同年の秋、19歳のときにショパン国際コンクールにおいて歴代の日本人として最年少での入賞という快挙を果たす。2010年、ポーランド政府より、ショパンの作品に対して顕著な芸術活動を行った世界で100人の芸術家に贈られる「ショパン・パスポート」が授与された。上野学園大学教授。エリザベト音楽大学客員教授。
デビュー25周年記念
横山幸雄ピアノ・リサイタル
2017年1月21日(土) 18:30 サントリーホール
モーツァルト:幻想曲K.475、ピアノ・ソナタ第14番
シューマン:幻想曲Op.17
シューベルト:即興曲Op.142-1
ショパン:幻想即興曲、ノクターン第20番(遺作)
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ
バラード第1番
リスト:スペイン狂詩曲
■問い合わせ:ジャパン・アーツぴあ 電話03-5774-3040