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vol.66 指揮 原田慶太楼

指揮 原田慶太楼

ブルガリア国立歌劇場の「カルメン」を指揮
昨年11月の本拠地ソフィア公演でも大絶賛
「これまで見たことのない『カルメン』です」

 10月に来日公演を行うブルガリア国立歌劇場のビゼーのオペラ「カルメン」を指揮する。「カルメン」は東京2公演を含め全国で8公演行われる。昨年11月、同歌劇場の本拠地、ソフィアでこの新演出「カルメン」の初日プレミアをはじめ4公演を指揮、聴衆から大絶賛された。原田にとってこれがヨーロッパでのオペラ・デビュー。「カルメン」のチケットは売り切れ、追加公演された。
 「『カルメン』はレパートリーに入っていました。演出のカルターロフ劇場総裁と長い話し合いをしてプランニングしました。リハーサルを多めに取ってもらうように頼み、第1リハーサルから4週間滞在しました。型にはまった演奏をしたくなかったし、カルターロフのイメージに合った音楽にしたかったのです」
 ブルガリア国立歌劇場の管弦楽団はブルガリアのトップ・オーケストラの1つ。
 「ソフィアの町全体がサポートしている劇場です。プライドを持っていることが伝わってきました。多国籍のオーケストラです。ビゼーに対する強い愛、リスペクトがありました」

指揮 原田慶太楼
公演は大成功。カルメンを歌ったナディア・クラスティヴァと

 カルターロフの演出は、日本の能や古代ギリシャの円形劇場での舞台をミックスするというコンセプト。
 「これまでに見たことのない『カルメン』です。円形のステージで常にカルメンにフォーカスされ、中心にいます。お客様はカルメンから目が離せないのです。大道具は作り込まず、お客様のイマジネーションがわくようにしており、物語に入り込んでいくのです」
 「ミュージカル、生の舞台が大好きでした。ピットに入って演奏したい」と17歳でアメリカに渡った。ムーシンの指揮法を学びたいとサンクトペテルブルクに行った。その後、マゼールの家に住み込み、アシスタントを務め、レヴァインの代役でタングルウッド音楽祭において「ナクソス島のアリアドネ」を指揮、オペラ・デビューを飾った。今はシンシナティ交響楽団やアリゾナ・オペラなどのアソシエイト(常任)指揮者を務める。
 「1つ1つのプロジェクトを大切にやっていきます。ただ人を喜ばせるだけの指揮ではフェイクになってします。作曲家が喜んでくれるか、と考えます。作曲家の魂が喜んでくれるように、と勉強してきました。名作を新鮮な気持ちで振るために、毎回、新しいスコアを必ず買います。そうして一から勉強をし直すのです」

Keitaro Harada

1985年東京生まれ。17歳で単身渡米。インターラーケン芸術高校音楽科において、指揮をフレデリック・フェネルに師事。20歳でメーコン交響楽団アシスタント・コンダクターに就任。ロシアのサンクトペテルブルクで学び、2006年21歳のときにモスクワ響でデビュー。11年ノースカロライナ・オペラにおいてオペラ・デビュー。09年、マゼール主宰の音楽祭「キャッスルトン・フェスティバル」に参加。10年にはレヴァインの招聘を受けてタングルウッド音楽祭に参加。シンシナティ響アソシエイト・コンダクター、アリゾナ・オペラ アソシエイト・コンダクターなどを務める。

ここで聴く

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ブルガリア国立歌劇場
ビゼー:「カルメン」

10月5日(金)18:30、6日(土)15:00
指揮:原田慶太楼
カルメン:ナディア・クラスティヴァ、ゲルガーナ・ルセコーヴァ

プッチーニ:「トゥーランドット」

10月8日(月・祝) 15:00
指揮:グリゴール・パリカロフ
トゥーランドット:ガブリエラ・ゲルギエヴァ

いずれも東京文化会館

10月7日(日)名古屋、10日(水)福井、12日(金)福岡
13日(土)兵庫、14日(日)岩国、17日(水)水戸で
「カルメン」公演

10月11日(木)三重、16日(火)越谷で
「トゥーランドット」公演

■問い合わせ:ジャパン・アーツぴあ 電話03-5774-3040