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vol.26 リコーダー四重奏 栗コーダーカルテット

写真左から 栗原正己(リコーダー、ピアニカ、アンデス=鍵盤リコーダー、他)
川口義之(リコーダー、ボーラン=アイルランドの打楽器、サックス、ウクレレ、他)
近藤研二(リコーダー、ギター、ウクレレ、他)
関島岳郎(リコーダー、テューバ、口琴、他)

リコーダー四重奏 栗コーダーカルテット1
作編曲家そして演奏家の顔を持つ4人が、1994年に結成。それ以前に当時「たま」
の知久寿焼と演奏を行っていた。97年、初アルバム「蛙のガリアルド」をリリース。
NHKEテレ「ピタゴラスイッチ」、近藤作曲の「つみきのいえ」(加藤久仁生監督作
品の映画音楽=第81回アカデミー賞短編アニメーション賞受賞)、関島とUAの共作
による、NHKみんなのうた「PoPo Loouise」など関連作品も多い。2005年にカバー
したスター・ウォーズ「帝国のマーチ」のヒット以降、脱力系バンドとしてメディア
に取り上げられる機会も多い。14年に結成20周年を迎え、ベスト盤を発売。

ジャンルを超えた魅力的な音を奏でるバンド
知久寿焼をゲストに座・高円寺でライブ
「一つのコンサートを楽しく完結させたい」

 リコーダーの四重奏が奏でる「親しみやすくどこか懐かしい」、一度聴いたら忘れられない音色の魅力が、じわじわ日本中に浸透しつつある。NHK-Eテレの子供向け番組「ピタゴラスイッチ」の音楽や、CM、映画音楽などでファンになった人も多いだろう。昨年20周年を迎え、静かなブームは続いている。

 「4人ともポピュラー音楽のシーンで活動していてお互いに知ってはいましたが、近藤研二がやっていたバンド『ハイポジ』を手伝った時に初めて4人そろいました。その時、栗原にリコーダーブームが来ていてハイポジの活動の合間に合奏して遊んでいたんです。当時『たま』というバンドの知久 寿焼としあきさんとの飲み会の席で、知久さんの歌をリコーダーで伴奏したら面白いという話が出て、それが実現した1994年7月から栗コーダーカルテットとしての活動が始まりました」と関島が結成当時を振り返る。

 バロック・ルネサンス音楽からロックまでのレパートリーを持ち、結成20周年記念アルバムには、「ピタゴラスイッチ」のテーマなどオリジナルからルネサンス期の「ロンドとサルタレッロ」、マイケル・ジャクソン「スリラー」、「帝国のマーチ(ダース・ベイダーのマーチ)」、ショパンの練習曲「蝶々」までの幅広い作品が収められている。

チェロ 荒庸子2

「ブリュッヘンや吉沢実先生がきっかけで笛に興味を持ちました。個人的に古楽への憧れがあって、バンドの最初期にはルネサンス期のポリフォニーなども試したのですが演奏力の問題もあってうまくいかず、そこから自分達に合ったレパートリーの模索を始めました。オリジナル曲を作ったりアレンジの工夫をしたり……その積み重ねで今の形になっています」と栗原は話す。

 アルバムの中には、リコーダー以外にウクレレ、各種の打楽器、ギター、テューバ、口琴、ピアニカなどが曲に合わせて絶妙にブレンド、アレンジの妙もあって、不思議な充足感がある。

「一つのコンサートを楽しく完結させたいといつも考えています。たとえば、リコーダー4本だけでお客さんの集中力が持つ時間は限られているので、各自の本来の楽器であるギター、テューバ、サックス、打楽器なども加えて音色のバリエーションを増やしています。それに教育テレビの音楽からメロディーのない即興まで、栗コーダー以外でも多岐にわたる演奏をしている4人が、自分の音楽の引き出しから『この曲はどうだろう』と持ちより、全員でディスカッションをして仕上げるので、曲やアレンジの幅も広いです。最近では3歳から80歳まで聴衆の層も広がっていますね」と川口。

 座・高円寺のライブには、知久寿焼もゲスト参加する。20周年コンサート以来で、その前は10年前というから貴重な機会だ。彼らのいわば「栗回路」を通してどんな魅力的な音楽の空間を作り上げるか楽しみだ。

ここで聴く

ライブ 3月28日(土)14:00
座・高円寺1(東京)
ゲスト:知久寿焼
■問い合わせ:座・高円寺 電話03-3223-7300
 公式WEBサイト:http://za-koenji.jp/
 ※前売り完売。当日券は開演1時間前から
4月17日(金)14:00
ザ・シンフォニーホール(大阪)
■問い合わせ:電話06-6453-2333
CD
20th Anniversary Best 1994-2014
栗コーダーカルテット 20周年ベスト
初回限定盤(CD2枚組+DVD)GNCL-1250
(NBCユニバーサル・エンターテインメント)