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vol.48 ピアノ 関本昌平

ピアノ 関本昌平

座・高円寺「ピアノと物語」の「ジョルジュ」に出演
「幻想即興曲」「別れの曲」などショパンの名曲を
「ジョルジュ・サンドがいてこそのショパンです」

 東京・高円寺の劇場、座・高円寺の俳優による朗読とピアノの生演奏による公演「ピアノと物語」。そのうちの、ショパンの恋人だったジョルジュ・サンドと知人の弁護士ミッシェルが往復書簡を交わす構成で、ショパンとサンドの愛を描く「ジョルジュ」の公演に、ピアニストとして参加する。
 サンド役の竹下景子と、ミッシェル役の真那胡敬二が、ステージ上で互いに宛てた手紙を読み合う。区切りごとにショパンの名曲が演奏される。関本は2008年に行われた、この企画のプレ公演に出演している。
 「せりふがあって音楽があるという舞台は初めてでした。いつもは一人で舞台に歩いていくので、不思議な感じがしました。楽しかったことは覚えています」
 ショパンとサンドは1836年に知り合い、その後2人は8年にわたって生活を共にする。この物語も2人の愛がテーマになっている。
 「ショパンという一人の音楽家を支えたジョルジュ・サンドの存在は大きい。サンドがいてこそのショパンです。ショパンはサンドがいないと何もしませんでした。サンドはお母さん的な存在だったかもしれません。私たちはサンドに感謝しなければいけません」
 ショパンとサンドは1847年に別れた。その2年後、ショパンは39歳の若さで亡くなった。マドレーヌ寺院で行われた葬儀にはサンドは顔を見せなかったという。

「ジョルジュ」の舞台より
「ジョルジュ」の舞台より

 「ショパンは凄く繊細な人間性だと思います。音楽には繊細な部分と激しいところがあります。すごく怒っているところもあり、壊れそうで壊れないぎりぎりのところです。でも外に向かっては怒れません。笑顔で、内面では泣いている相反する面があります。複雑で、ある意味人間的です」
 演奏するのは、「12の練習曲」より「革命」と「別れの曲」、「24の前奏曲」より「雨だれ」、ワルツ第6番「子犬のワルツ」、ポロネーズ第6番「英雄」など有名な作品ばかり。座・高円寺ではカワイから提供された最高級ピアノ、シゲルカワイを演奏する。
 「マズルカにショパンのつぶやき、プライベートな心情が一番表れている感じがします。ショパンの入門編という曲で、みんなが聴きたいプログラムです。言葉が入ることで、より親近感がわくのではないでしょうか」と話した。

Shohei Sekimoto

1985年生まれ。大阪府出身。5歳よりピアノを始め、2004年、桐朋女子高等学校音楽科卒業後、渡欧。2005年 パリ・エコール・ノルマル音楽院卒業(ローム・ミュージック・ファンデーション奨学生)。05年 第15回ショパン国際ピアノコンクールにて第4位入賞。06年~08年 桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースを経て、09年より渡米、ニューヨークで研鑽を積む。13年4月より完全帰国。これまでに、稲垣千賀子、ミハイル・ヴォスクレセンスキー、二宮裕子に師事。ニューヨークではチャールズ・ナイディックの薫陶を受ける。

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ピアノと物語「ジョルジュ」
12月23日(金・祝)~25日(日)
各日14:00 座・高円寺1
作:斎藤憐  演出:佐藤信
出演:竹下景子、真那胡敬二、関本昌平(ピアノ)
ショパン:12の練習曲作品10より
     第12番「革命」、第3番「別れの曲」
     ノクターン第2番、ワルツ第9番「別れ」
     バラード第1番、ワルツ第6番「子犬のワルツ」、他
■問い合わせ:座・高円寺 電話03-3223-7500

福岡・久留米公演
12月17日(土)17:00 18日(日)14:00
久留米シティプラザ久留米座
■問い合わせ:電話 0942-36-3000