
©Shigeto Imura
高崎芸術劇場T-Shotシリーズ第1弾
					「荒井里桜 IN CONCERT」発売
				「説得力があり人の心を打つ演奏をしたい」
 若手ヴァイオリニスト、荒井里桜がデビューCD「荒井里桜 IN CONCERT」をリリースした。指揮者、大友直人が館長を務める高崎芸術劇場(群馬)の若手演奏家を多角的に紹介するT-Shotシリーズの第1弾。 
 「コロナのためにお客様が来られない中での新しい企画です。第1弾に選ばれて光栄に思います。正直に言いまして、今、CDを出すとは思っていませんでした。驚きつつ、ありがたかったです」 
 このCDはCDとDVDで構成されている。CDに収録されているのは、クライスラー「愛の悲しみ」、ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタ、フォーレ「夢のあとに」、フランクのヴァイオリン・ソナタなど。昨年10月に観客を入れて行ったリサイタルのプログラム。セッション録音もして編集をした。DVDには、ドビュッシーのヴァイオリン・ソナタの第1楽章やメイキング映像、そして先の大友指揮群馬交響楽団定期演奏会で演奏したシベリウスのヴァイオリン協奏曲が音声のみで入っている。 
 「リサイタルは普通、後に残りません。それがレコーディングされるというので、緊張感がありました。CDにするので、小品があったほうがいいと思い、『愛のあいさつ』などを、『カルメンによる華麗な幻想曲』はフバイのものが好きなので入れました」
 ヴァイオリンを始めたのは5歳。現在は東京藝大の4年生。2018年の日本音楽コンクールで1位を獲得した。1月末にスイスに旅立った。ローザンヌ高等音楽院でジャニーヌ・ヤンセンに教わるためだ。 
					 「ヴァイオリンは好きでしたが、子供のころは親に注意される練習は嫌いでした。やる気がないんだったらやめなさい、と何回も言われました。高校2年のときから1人で練習するようになり、自分で考え、研究してやるようになって、練習も好きになったのです。留学は日本音楽コンクールで結果を出してから行きたかったのです。なかなかいい先生が見つからなかったのですが、ヤンセンさんは半年前から教え始めました。これは行くしかないと決めました」 
					 今年になって音楽事務所とも契約した。さらなる飛躍が期待される。 
				 「自分がプロになれるとは思っていませんでした。プロになることは簡単じゃないことは分かっていました。今はもうちょっと先に進めそうな気がしています。クラシックを好きになってもらえるような演奏家になりたい。もう1回聴いてもらえるような説得力ある、心を打つような演奏をしたい、と思っています」 
1999年、東京都出身。東京藝術大学4年在学中。第15回東京音楽コンクール弦楽部門第1位。第87回日本音楽コンクールバイオリン部門第1位。第7回仙台国際音楽コンクールバイオリン部門第6位。ミュージック・アカデミーinいしかわ2018にてIMA音楽賞を受賞。第12回ミュージック・アカデミーinみやざき2019にて優秀賞・音楽監督賞を受賞。東京フィル、新日本フィル、東京交響楽団、東京シティ・フィルなどと共演。現在、堀正文、玉井菜採に師事。2月よりローザンヌ高等音楽院にて、ジャニーヌ・ヤンセンのもと、研鑽を積む。
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■CD
エルガー: 愛の挨拶 
					クライスラー: 愛の悲しみ 
					ドビュッシー: ヴァイオリン・ソナタ 
					フォーレ: 夢のあとに 
					フランク: ヴァイオリン・ソナタ 
					フバイ: カルメンによる華麗な幻想曲 
					日下知奈(ピアノ) 
					録音:高崎芸術劇場音楽ホール  2020.10.12-14
				(コジマ録音)ALCD-9220
■コンサート
7月5日(月) 14:00 サントリーホール
ヴァイオリン: 荒井里桜 
					指揮: 三ツ橋敬子、  東京交響楽団 
				メンデルスゾーン: ヴァイオリン協奏曲